受注とは?生産や販売での意味と効率の良い管理法などをご紹介
受注とは注文を受けることを意味し、モノを生産する製造業やモノを販売する卸・小売業だけでなく、サービス業にも使われる用語です。受注生産や受注販売などの用語と合わせて効率の良い受注管理法についてもご紹介します。
受注とは
「受注」とは「注文を受けること」を意味します。「発注」の対義語です。
ビジネス上の取引で使う言葉で、モノやサービスを販売する企業であればほぼ受注業務が行われていると言えます。
受注生産とは
「受注」という言葉に「生産」が付くとまた言葉の意味合いが変わってきます。
「受注生産」とは、「注文を受けてから生産すること」を意味します。「生産」ですから製造業でよく使われる用語となります。
通常大量生産を行う日用品などは「見込生産」と呼ばれる方法をとっていますが、これは需要を予測するなどして受注より先に生産を行う方法です。
これに対して「受注生産」は先に注文を受けてから生産する方法で、オーダーメイド製品などによく使われる方法です。
受注生産のメリットは、何と言っても在庫を持たないもしくは減らせるという点です。在庫を保管するにはコストがかかるため、受注してから生産できればその分コストを減らすことができます。
また、お客様の要望に応じて生産できる商品であれば、顧客満足度も高まります。
一方受注生産のデメリットは、商品がお客様の手元に届くまでに時間がかかるということです。受注側も売上として代金を受け取るまでその分時間がかかることになります。
受注販売とは
「受注販売」も「受注生産」と似ている言葉ですが、「販売」となっているため若干違いがあります。
「受注生産」が主に製造業に使われるのに対して「受注販売」は卸売・小売業等で使われます。
そもそも卸売・小売業は注文があって初めて販売するのではないのか?と思われる方も多いですが、スーパーなどでは注文があるか無いかにかかわらず販売はしています。
一方、「受注販売」は注文を受けてから販売を開始する=店に並べるイメージです。販売側にとっては注文分の在庫を確保することが重要となります。
そのため、もし受注した時点で自社の在庫が足りない場合には、取り寄せるもしくはメーカーに製造を依頼するという流れになります。
受注管理とは
「受注管理」は「受注業務全般を管理すること」を表します。受注業務を滞りなく行い、生産や販売に引き継ぐ重要な役割を持ちます。
受注管理の業務フロー
受注は単純に注文を受けるだけの仕事ではありません。受注管理にはどのような業務があるのか説明します。
見積書作成
B to Bの取引では受注がいきなり来ることよりも、発注側が見積書を参考に社内で検討した結果行われることがほとんどです。
そのため、受注の前段階として見積書作成が必要となります。
受注処理
見積書の結果、注文先に選ばれると注文書や発注書が送られてきます。この発注書に間違いが無いか確認します。
間違いが無ければ注文者には注文請書を作成して送る、または注文のお礼メールを送るなど行い、社内向けには受注伝票を作成します。
発送
受注伝票に基づき、商品を納期に合わせて発送する仕事も受注業務に含まれることが多いです。
出荷指示書や納品書の作成を行います。
請求
商品の出荷後は売上伝票や請求書の作成を行います。
請求書の発行は1回ごとではなく、一定期間の注文についてまとめて行うこともあります。
受注管理によくある問題点
ECサイトや通販が主流となりつつある今の時代には、受注管理業務に多くの問題が発生していると言われています。これらのよくある問題点を挙げてみます。
人材不足
まず近年は注文を受ける手段が多くなっています。電話、FAX、メール、サイトなど一つの企業が顧客に合わせていくつもの販売手段を必要とするため、各販売手段にそれぞれ対応する従業員も必要になります。
販売手段ごとに別々の対応が必要だということは標準化が難しいことでもあり、手が空いているスタッフが代わりに行うということが難しくなり、属人化も進みます。
人的ミスの発生
受注管理を手作業で行っている場合は特に、それぞれの業務の中で入力ミスや聞き間違い、数え間違いなど人的ミスが発生しやすくなります。
時間がかかる
人的ミスが発生しないように確認をしようと何重にも行われるチェックがさらに時間を上乗せしていきます。
あらゆる無駄が積み重なると納期に時間がかかり、場合によっては間に合わないこともあります。
ここで気を付けたいのが「受注残」です。「受注残」とは英語で「バックログ」とも呼ばれ、受注したものの発送されていない商品を表します。受注残が常に多いような状況では、納期に遅れが出ることも不思議ではありません。
ビジネスにスピードが要求される時代において、何をするにも時間がかかる企業が信頼を失うのは時間の問題と言えそうです。
効率の良い受注管理法
受注管理によくある問題を解決する方法として考えられるのはシステムやツールの導入です。ただ、受注管理システムの形態も様々ですので、それぞれのメリット・デメリットなどを比較します。
エクセルで受注管理
手書きで伝票などを作成している企業も減っている中、最も簡単に取り組みやすいと言われるのがエクセルによる受注管理です。
特別なソフトを有料で購入する必要もなく操作方法に関する情報も多いため、コストや人材不足の企業にとってはありがたい存在かもしれません。
ところが、このエクセルによる受注管理で効率化が図れるかというとそうとも限らない現状があります。
と言うのも、エクセルは1台1台のパソコンに紐づいているソフトなので、結局は担当者がフォーマットを作成したり入力したりするしかありません。
手書きの受注管理よりは多少効率が良いですが、入力ミスを防ぐことは難しいです。
受注管理システムによる管理
受注管理単体のシステムやソフトも存在します。
ECサイトの場合はネット上で受注したものをそのままシステムに取り込むため、人の手で入力する必要がありません。
各種メール、伝票や書類も自動で作成されるため、人材不足や人的ミスといった受注管理の問題を解決することができます。
ERPシステムによる管理
受注管理単体のシステムから一歩進んだ存在なのがERPシステムです。
ERPシステムは基幹業務システムとも呼ばれる、あらゆる業務をまとめて管理するシステムです。
そのため、受注管理に限らず販売管理や財務会計などのシステムがこれ1台でできてしまうのです。
これなら、受注管理システムを導入しても他の業務管理システムとの連携が難しいという問題にも対応できます。
受注管理が効率よくできるERPシステムはキャムマックス
キャムマックスは、受注管理機能がついたERPシステムです。
キャムマックスの受注管理はオムニチャネル対応ですが、実店舗のみの場合やECサイトと両方を運営している場合にも対応しています。
また、電話やFAXなどの受注手段が混在していても問題ありませんし、見積書から自動で受注伝票を作成する機能もついています。
受注管理に困っているという企業様はぜひ一度キャムマックスまでご相談ください。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。